自由体操の最大の効き目は「だるさ」の除去です。
「だるさ」の原因の一つには「うつ」があります。
というわけで、「うつ」も自由体操にまつわるという“こじつけ”です。
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なにを隠そう(隠してないけど)私は「うつ」で半年以上入院したことがあります。
完治から10年以上経ったいまは、懐かしい思い出、とさえ言えます。
私は完治したのでそう言えます。
入院していた病院では「珍しい」経験をしました。
日本が誇る世界的な芸術家「K・Y」さんもこの病院に入院されていて、というか、この病院をほぼ「お住まい」にされていて、お食事タイムには食堂で私の正面のお席に座っていらっしゃいました。
たまに、休憩コーナーで絵を描いている入院患者さんに「まあ、素敵な絵ねえ」なんてお声掛けなさったりして。
ユニークな体験をしました。
私は完治したのでそう言えます。
入院中、
患者仲間8人くらいで「コーヒー倶楽部」というのを作っていました。
会費を集めてコーヒーの粉を買います。
毎朝、朝食後に休憩コーナーに集って「会長さん」が淹れてくれるコーヒーを頂いていました。
コーヒーを飲んでいる間、ほとんど誰もしゃべりません。
だからといって気まずいことはありません。
あれはまさに「癒やし」の時間でした。
だって、みんな病人ですから。
でも、あのとき円卓を囲んで一緒にコーヒーを飲んだ8人のうち2人とはもう二度と一緒にコーヒーを飲むことができません。
うつの3形態
うつは大きく分けると3種類あります。
- ゆううつ
- うつ状態
- うつ病
今回は、この「うつの3形態」について私見を述べます。
私見ではありますが、私も“一応”カウンセラーの資格を持っています。
「メンタルケア心理士®」という資格ですが、資格証に記載されている理事長の別府武彦氏(通称:たけみん)は、セクシャルマイノリティで「おねえタレント」としても活躍。
1の「ゆううつ(憂鬱)」は、ほとんどすべての人が感じたことのあるあの「落ち込んだ気分」です。
理由があろうとなかろうと、ハッキリだろうとなんとなくだろうと、とにかくあの「どんより」を感じるとき、そのひとは「ゆううつ」な状態です。
めんどくさい、なにもしたくない、不安、心配、、、
「ゆううつ」の最大の特徴は「そのうち晴れる」ということです。
つまり、短時間、短期間に、解消される、ということです。
ただし、一つのゆううつが晴れても、また、次の別のゆううつが生まれる、ということはあります。
「だるさ」はないか、あっても軽度です。
2の「うつ状態」は、「ゆううつな気分」がとても強く、食事、睡眠、コミュニケーションなどに障害が生じ、日常生活に支障をきたしている状態です。
私はこの「うつ状態」には重い症状も含まれると考えます。
「うつ状態」の最大の特徴は「原因がある程度明らか」だと私は考えます。
期間は関係ありません。
例えば、うつ状態の原因が借金だとします。
すぐに返済できれば短期間で治りますが、なかなか返済できなければ長期間に及びます。
借金苦で急性的に重い「うつ状態」になれば短期間であっても自死の可能性があります。
一方、長期間「うつ状態」であっても、「完済」によって借金という原因がなくなれば完治する可能性があります。
この「うつ」の原因は借金や失業などの社会的要因だけでなく、「がん」などの病気や怪我も原因となり得ます。
軽度から重度までの「だるさ」を伴います。
3の「うつ病」の症状は2の「うつ状態」と同じです。
ちがうのは原因です。
「うつ病」の最大の特徴は、原因が特定できないことです。
原因が特定できないと治すのは難しくなります。
専門医による治療が必要になります。
かんたんに言うと、借金を完済したのに「うつ」が治らない場合は「うつ病」です。
かんたんにまとめると、
原因に関わらず、気分が落ち込むが、比較的すぐに晴れる →「ゆううつ」
外部(環境・肉体)に原因があり、生活に支障がある →「うつ状態」
内部(精神)に原因があり、生活に支障がある →「うつ病」
あくまでも、これは私の個人的見解です。
専門医は専門的で学術的な見地からこれら「うつの3形態」を定義しますが、専門性が高いとふつうの人には理解しにくくなります。
まして「うつ」になると理解力は低下しますので、そんなこと理解できなくなります。
うつのときこそかんたんな説明がほしいのです。
経験上、私はそう思います。
うつになると、自分がうつなのかさえわかりませんし、種類があろうとなかろうと、そんなこと知ったこっちゃありません。
私がメンタルクリニックを受診することになったきっかけは「筋肉の硬直」でした。
全身が凝りに凝ってしまったのです。
当時、青山紀伊國屋の向かい側のビル(1階がMax Mara)にオフィスがありました。
経営がピンチになり悩みも多く、肩がすごく凝るので、すぐ近くの整体院に予約なしに飛び込みました。
そこで、中国人整体師に言われました。
「こんなにかたいからだはじめてみたあるよ」
「はやくびょういんいったほうがいいあるよ」
うつに一番よく効く薬
私は18年前にうつで入院したとき、「うつ症状」と診断されました。
上記で説明した「うつの3形態」には該当しません。
私の推測ですが、お医者さんは私のうつの原因を特定できなかったのだと思います。
経営の悩みから「うつ状態」になっているようにみえるが、それとは別に心の問題があるかもしれない。
そんなところだと思います。
治ってみれば原因は「ベンチャービジネスでの失敗」と言えますが、それは治ったからそう言えるのです。
うつの原因となった「失敗」は「成功」によって払拭されたわけではありません。
しかし、ビジネスパートナーだっ友人(アメフトの話(完結編)に登場した明瀬)ががんばってくれて最悪の状態からは脱したのでした。
うつから立ち直る、というのは、
いちど割れた花瓶を元通りにするような作業です。
ばらばらになった欠片をひとつずつ接着剤でつないでいくようなものです。
(発掘された土器を復元するみたいに)
欠片がすべて揃っていれば、元に戻ります。
つぎはぎは不細工かもしれませんが、そんなこと言ってられません。
水を入れて漏れなければいいんです。
もういちど、花瓶として役に立つなら、見た目なんかどうでもいいんです。
すると、きれいな花瓶だった時代とはちがい、
開き直る
ということができます。
骨折した骨は骨折する前より強くなる、
というように、
強力な接着剤で復元された花瓶は元の花瓶より強度が上がることもあります。
うつから立ち直るとき、
「強力な接着剤」になるのは他人の助けです。
医師、家族、友人、恋人、、、
赤の他人、ということも充分あり得ます。
うつから立ち直るとき、
誰かにすがるのに遠慮は不要です。
最近のうつの薬はよく効くようです。
でも、一番効くのは誰かの助けです。
誰か見つけて下さい。
(酒を「誰か」とみなすのはやめた方がいいです)
自分で自由に体を動かす人がひとり増えれば、日本がひとりぶん元気になります。
2020ならまだ充分に間に合います。
自由体操で動かしましょう。

体が必ず変わる2つだけの心がけ: 本当に長生きしたいなら自由体操
- 作者: 佐野壮
- 発売日: 2017/02/01