凝りは誰がもむべきか?
前回のお話 ↓ の続きです。
私の右股関節痛はお尻の深層筋に潜んでいた「凝り塊」が原因でした。
自由体操を「習慣化」したおかげで、私のお尻の「凝り塊」は「いつの間にか」やわらかくなり、「いつの間にか」右股関節痛は完治していました。
「凝り塊(こりかたまり)」については、こちらもどうぞ。
「凝り塊」は運動不足な中高年の体の中にいくつも眠っています。金塊を探す「トレジャーハンター」のように、体の奥に眠っている「凝り塊」を見つけてはほぐせば、健康という「お宝」が手に入ります。
「凝り塊」は「お宝」というだけあって、かんたんには見つけられません。
なぜなら、「凝り塊」は体の奥底の深層筋に存在していて、何層もの筋肉に覆われているからです。
「凝り塊」は地層の下に眠る「宝箱」にそっくりなのです。
下の矢印は指が押す力の伝わり方です。
浅い層 固い ↓↓↓
中間の層 もっと固い ↓↓
深い層 もっともっと固い ↓
運動不足人の体はすべての層が固いので、ふつうにもんでいては「凝り塊」に指が届きません。
プロでも見つけられない「財宝」
「凝り塊」は「アボカドの種」に似ています。
今夜食べるなら、完熟したやわらかい玉を選ぶでしょう。
色が濃い玉を、ちょっと触って、いちばんやわらかいのを選びます。
(スーパーの店長さん、ごめんなさい)
「ふつうのマッサージ」も同じです。
表面のお肉をちょっと押しているだけです。
種のように存在している「凝り塊」に指は届きません。
でも、ギューーっと握れば果肉がつぶれて種に指が届きます。
なぜなら、そこに種はあるからです。
お店でそれをやったら怒られますが、買ってきてうちでやるならいいでしょう。
アボカド・ディップを作るならちょうどいいです。
しかしながら、運動不足人の体ではそうもいきません。
運動不足人の体は、スーパーで売ってるアボカドではありません。
運動不足人の体の表面のお肉は、スーパーに届く前、いえ、収穫する前の、若いアボカドです。
果肉が固過ぎて、いくらギューーっと握っても種に指は届きません。
中高年だけではありません。
肉体の硬化は20代ですでに始まっています。
深層筋の凝り自体は痛みがないので、20代から放置されます。
やがて、その上の層が何層も固まっていき、その存在は隠されてしまいます。
(お宝というか、考古学の遺跡というか)
プロにもんでもらう
「てもみん」などのリラクゼーション系であれ、病院・整骨院・鍼灸院・整体・カイロなどの治療系であれ、「ふつうのマッサージ」では、表面の浅い筋肉しかほぐすことはできません。
マッサージに行く人は、凝りや張りを感じています。
凝りや張りを感じる、ということは、筋肉の浅い層が固くなっている、ということです。
「てもみん」だとこうなります。(実体験です)
「気持ちいいですか?」
「はい、気持ちいいです」
(中略)
「お疲れ様でした」
「ありがとうございました(お疲れ様はそちらですが、、、)」
「だいぶ凝っているようなので、1週間したらまた来て下さいね」
「はーい、また来まーす(たぶん、来ません。お金ないんで、、、)」
1回のマッサージでは浅い層の筋肉が一時的にやわらかくなるだけです。
早ければ1時間以内に元の固さに戻ります。
この程度のマッサージだと、たとえ毎日通っても、浅い層の「緩和と硬化」が繰り返されるだけです。
毎日通っても「完治」しないのに、まして1週間に1度通ではなにも変わりません。
でも、お金の無駄ではありません。
短い時間ですが、気持ちがよければ、お金を払う価値はあります。
「てもみん」などのリラクゼーションサロンは、この「気持ちよさ」のためにお金を払うお店です。
リラクゼーション系のマッサージの目的は法律上「慰安」です。
治療行為をしてはいけません。
「完治」させちゃったら、つまり「治療」しちゃったら、法律違反になっちゃいます。
「治療」ができるのは「治療系」だけです。
でも、「治療系」でも、「保険」が適用されても、その施術が「表面の凝り」を一時的に緩和させるだけの「指圧」や「マッサージ」なら、結果はリラクゼーション系と同じです。
(むしろ、リラクゼーション系の上手な施術者の方が、結果が良かったり、、、)
自分でもむ
リラクゼーションも治療院もだめなら、いったいどうしたらいいのか?
私のお勧めは2つあります。
一つは、自由セルフマッサージです。
自由セルフマッサージは、
自分で自分の体を自由にもむ
ことです。(なんという、当たり前!!)
いつでも、どこでも、どんなふうにでも、体のどこでも、少しでも、自由に動かす。
これは自由体操ですが、、、
いつでも、どこでも、どんなふうにでも、体のどこでも、少しでも、自由にもむ。
それが自由セルフマッサージです。
この2つを同じ筋肉で一緒に行うと「筋肉おさめ」になります。
動かしている筋肉を手で押さえ込み、そのまま動かすのが「筋肉おさめ」です。
「筋肉おさめ」についてはこちらもどうぞ。
「筋肉おさめ」で、ほぐし効果は何倍にも高まります。
セルフマッサージだけでも、少しでももめば、少しはほぐれていきます。
なにもしないより、はるかに効果的です。
セルフマッサージも「チリツモ効果」が期待できます。
少しずつでも続ければ、やがて大きな効果を得られます。
(そのためにも、やはり「習慣化」が必要です)
私は昔、自分で自分の肩をもんだら、反対側の肩が凝るだけだから、もむのは無駄だ、と思っていました。
かなりのおバカさんです。
そんなことまったくありません。
また、私は昔、ヨガスタジオのお手伝いをしていて、セルフマッサージを教えるインストラクターさんにクラスを持って頂いたこともあります。
でも、6年以上、自由体操や自由セルフマッサージを心がけてきたいまは、一般論として「ここをこういうふうにもむといいですよ」という「他人の教え」より、「自分に聞く」方がいいと思っています。
自分の体と向き合って、自分の体の凝りや張りを感じて、そこを好きなようにもんだ方が、はるかに効果的です。
人間の体は千差万別です。
あなたのセルフマッサージの「やり方」はあなたが決めるべきです。
守るべきことは、ひとつだけ、、、
無理をしない
「痛いっ!」というほど押さない。
力加減は「いたきも」までにしておきましょう。
強く押す、強くもむ、よりも、時間をかけることです。
セルフマッサージなら、、、
いつでも、どこでも、どんなふうにでも、体のどこでも、少しでも、自由にもめます。
そして、無料です。
ところがです。
自由セルフマッサージにはひとつ欠点があります。
それは、しっかり押せないところがある、ということです。
それは、主に背中やお尻です。
体の裏側です。
でも、テニスボールや野球の硬球やソフトボールなどを使えば、体の裏側をマッサージすることも「なんとか」できます。
こういう感じで、、、
とはいえ、これで深層筋の凝り塊をほぐすのはかんたんではありません。
そこで、、、
プロ中のプロにもんでもらう
二つ目のお勧めは「治療院」です。
えっ!? 治療院ではダメなんじゃないの?
そうなんです。
先ほど申し上げたとおり「ふつうのマッサージ」ではダメなんです。
でも、治療院の中には、「表面の凝り」だけでなく、「深層筋の凝り」をほぐしてくれるところもあります。
例えばこちらの整体院です。
※こちらの「てぴあん整体院」のホームページの内容は、私が自由体操ブログでお伝えしたいことそのものでしたので、そのままの形でご紹介させて頂きます。
(前略)
慢性的な疲労感は私自身が長年にわたり苦しめられてきた症状です。そしてさまざまな経験により筋肉が柔らかければ慢性的な疲労感は感じないという事が分かりました。
例えば疲れるとみなさんマッサージ等に行きますが、筋肉が緩むと血流が改善され必要な組織に栄養が行き届くためです。
但し、すぐに悪い状態にもどるのは体の深部まで緩んでいないためです。
身体の深部とは深層筋肉の事です。なんらかの病気などが潜んでいれば原因は他にも考えられますが、当院に来店される方の多くの方は単純に筋肉の硬直が殆どです。
疲労感を感じるまでの流れ
step1.ストレスを感じたり、ハードワーク、無理な姿勢などにより筋肉が硬くなる。
step2.筋肉の硬直により血管が締め付けられて血流が悪くなる。
step3.血流が悪くなり組織に運ばれる栄養が不足する。
step4.細胞、組織、器官、臓器が栄養不足で仕事が出来なくなる。
step5.栄養が不足している信号を脳に送る。
これが疲労感の正体です。
深層筋肉が緩むとダイナミックな血流の変化が起こり疲労感は徐々に軽減されてゆきます。
血流が改善されると疲労感は改善される。
(中略)
深層筋肉とは身体の深部にある筋肉の事で、骨格に近い部位の筋肉で骨格を支えているのは深層筋肉です。まさに身体の深部で骨格に近い部分の筋肉です。
下図は赤い部分が筋肉のイメージで青い部分が刺激を与える指や肘です。当院では右のような肘を使って深層筋肉に刺激が届くような整体を行っています。
当院オリジナルの深層筋肉弛緩療法は肘を使い筋肉の広い面を深く刺激ます。広い面を刺激する事で深層筋肉に刺激が到達しやすくなります。深層筋肉に力が到達した時点で2秒~3秒間そのまま止めて持続圧を行います。
(後略)
みなさんのお住まいのお近くにこのくらい気合いの入った治療院があれば受診する価値はあります。
もちろん、料金次第ではありますが、自由セルフマッサージで1ヶ月かかることを1時間でやって頂けるなら、検討の余地はあります。
信頼できるプロ中のプロに一度お任せして、一気に緩和させた後に、自由セルフマッサージでメンテナンスする。
それは、非常に効率的な「筋肉トラブル解消法」です。
自由体操や自由セルフマッサージは専門家の技術を否定するものではありません。
それらに取って代わるものではなく、補うものであればいいと思います。
自由体操で肉体のメンテナンスを心がけておいて、他のエクササイズを「始める」。
高額なエステを受けた後の肉体の状態を無料の自由セルフマッサージでキープする。
「自由系」はそんなふうにも活用できます。
(「てぴあん整体院」のホームページがとてもいいので、次回も紹介させて頂きます)
記事はいつもながら私見です。
医学的な定義とは異なるかもしれないことをご承知置きください。
自分で自由に体を動かす人がひとり増えれば、日本がひとりぶん元気になります。
2020ならまだ充分に間に合います。
自由体操で動かしましょう。

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